車やバイクを買ったら、ある程度の期間、乗り続けられればいいのだが、なかなかそうもいかない人も…
買うときは、ずっと乗ろうと思うものだけど、乗っているうちに、「なんか違うな…」と思ってしまったり、ほかも欲しい車種が現れたりすることはよくある。
そんなときは、増車か乗り換えのどちらかを選択しなくてはならない。
増車ができればいいのだが、それでも、キリもなく増車し続けるわけにもいかない。
となると、必ず所有している車両を、売るときがくる。
もちろん、長い間、乗り続けたら、希少車でもない限り、価値はゼロに近づいていく。
最悪、お金を支払って引き取ってもらうなんてこともあるが、多少なりとも価値が残っている車両については、いくらかで買い取ってもらえる。
問題は、その金額だ。
車両の2つの売却方法
車やバイクなどの車両を売却するときは、ただ単に売却するということも、ないわけではないが、多くの場合は、乗り換えのときだろう。
そして、売却方法は、個人売買を除くと、一般的には、2つの方法がある。
ひとつは、乗り換える車両を購入する店舗での、下取りによる売却。
そして、もうひとつは、中古車販売業者や、買取専門業者(ネットも含む)への売却。
ネットの場合は、たとえば、
などから査定を申し込むことができる。
査定は、どちらか一方ではなく、下取価格も買取価格も、調べたほうがいい。
そして、面倒でも、可能な限り多くの店舗(業者)で、査定をしてもらったほうがいい。
複数で査定をすることで、なんとなく相場が分かってくるので、うっかり、安すぎる価格で売却してしまうリスクを減らすことができる。
ディーラーでの下取り
新たな車両の購入が決まっている場合は、その店舗に、現在の車両を下取りとして出す(売却する)ことが多い。
多くの人にとっては、おそらく、それが一般的だろう。
また、車検さえ残っていれば、新たな車両の納車までの間も、下取り車を乗り続けられる場合も多い。
残債のことは無視するとして、新車の購入価格から、下取り価格が値引きされるようなイメージとなる。(残債があるとツライ…)
しかし、この下取りの査定金額を、販売する店舗側にとって、有利に使われる場合もある。
はじめに、安めの査定額を伝えておいて、値引き交渉の際に、
「これ以上の値引きは難しいけど、代わりに下取り金額を○万円アップします!」
というように、あたかも下取りの査定額を上乗せしたかのように、錯覚させる手段として使うこともできる。
実際には、アップした金額が、もともとの下取り査定金額だったりすると、まったく得になっていない。
そんな手に引っかからないように、複数で査定してもらって、相場を把握しておく必要がある。
また、他の業者での買取のほうが高かったら、下取りには出さずに、売却と新車購入を分けて取引するほうが、はるかに得になることが多い。
中古車は邪魔⁉
そもそも、新車をメインに取り扱う車やバイクのディーラーは、通常は中古車を欲しがっていないということを知っておかなくてはならない。
“通常は”と書いたが、社会情勢が不安定になったとき(感染症とか)などに、一時的にせよ、新車の供給量が大幅に減少してしまった場合などは、供給されない新車を待っていても売り上げが立たないので、中古車を販売するしかない。
そのような場合は、ディーラーも中古車を欲しがることもあるが、新車の供給が十分、または十分以上にある場合は、中古車よりも新車を販売したいので、あえて中古車を欲しがることはない。
もっといえば、顧客にとって、お得感のある中古車があることで、新車販売の邪魔をしかねない。
そのため、通常、新車ディーラーは、あえて高い値段で積極的に下取りをする必要がない。
下取りをしてしまった車両は、損をしない金額でさばかなくてはいけないので、下取り金額が、確実に売れる金額以上になることはない。
下取りで損をしてしまっては、新車販売の利益率が低下してしまうことになるので、そんなリスクをとってまで、高い値段で下取りをしてくれるディーラーは少ないだろう。
中古車販売業者・買取業者
ディーラーは基本的に、中古車を欲しがっていないが、中古車販売店や買取業者は、中古車が欲しい。
それが販売する商品なのだから当然だ。
仕入れる商品がなければ、商売にならない。
また、中古車販売がメインの業者は、新車ディーラーよりも、販売の経路や手法が多いとも考えられる。
いずれにしても、新車ディーラーよりも、中古車販売業者や買取業者のほうが、買い取りに積極的だ。
しかし、騙されてはいけない。
買い取りに積極的だからといって、高い値段で買い取ってくれるとは限らない。
安く買い取ることができれば、それだけ利益率が高くなる。
「安く買って、高く売る」
それが、商売の基本だ。
高価買取にご用心⁉
中古車を売るときの値段は、ある程度、相場で決まっているので、あとは、いかに安く仕入れることができるのかが、利益率を左右する。
営利企業が利益を上げることは、なにも悪いことではない。
利益がなくては、商売を存続させることは難しい。
ただ、売る側が相場を全く知らないと、場合によっては、相当に安い価格で買い叩かれることもある。
コマーシャルで、しきりに「高価買取!」をアピールしている業者ほど、気をつけなくてはいけない。
そのコマーシャル費用(宣伝広告費)がどこから出ているのかを、冷静に考えなくてはならない。
その宣伝広告費は、安く買って、高く売った利益の中から捻出されている。
利益の一部を宣伝広告費に回して、事業を拡大することは、なにも悪いことではない。
しかし、売却する側からすると、必要以上の宣伝広告費を負担するのはゴメンだ。
そのぶん、もっと高く買い取って欲しい。
おわりに
売却するタイミングにもよるが、基本的に、新車販売ディーラーでの下取りは、それほど期待しないほうがよさそうだ。
よほど、新車を買ってほしいような場合には、多少の無理もするかもしれないが、それでも、どこまでが新車の値引きで、どこまでが下取り査定額のアップなのかは、私たちには区別がつかない。
下取価格も査定してもらった上で、複数の中古車販売や買取業者に、査定をしてもらうと、相場の上限が、なんとなく見えてくる。
相場が分かってきたら、相場の上限付近で売却できるところで売却するのが、愛車をいちばん高く売却する方法だ。
まずは、相場を知らないことには話にならない。
まったく相場を知らないで、下取査定額や買取査定額に、「そんなものか…」と思ってしまうと、大きく損をしてしまうことになる。
べつにすぐに売却するつもりはなくても、ディーラーに遊びに行ったときなどに、いま売ったらいくらになるのかを訊いてみたり、ネットなどを利用して買取金額を調べておくと、ある程度の相場感を養うことができ、いざ、売るときの判断材料となるだろう。
また、これからは、リースやサブスク契約のような、「車を所有しない」という選択肢も増えそうだ。
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