教習所を卒業し、公道で自分のバイクに乗りはじめたばかりの頃は、大きく2つの恐怖がつきまとう。
まずひとつは、「立ちゴケ」に対する恐怖。
もうひとつは、「コーナーでバイクが思うように曲がってくれないかも⁉」という恐怖。
「立ちゴケ」に対する恐怖を克服するには、実際に立ちゴケしてみるのが一番だ。
立ちゴケを何回か経験すると、「こうなるとコケる」というのが分かってくるので、それをやらなければいいだけなので、立ちゴケに対する心配や薄れていく。
私の場合、立ちゴケの主たる原因は、「スタンドの出し方が中途半端」だったので、スタンドが完全に出ていることを、感覚ではなく、しっかりと確認するようにしてから、立ちゴケはしなくなった。
もうひとつの、「コーナーでバイクが思うように曲がってくれない」恐怖については、いまでも、なんとなく心の中にある。
そろそろ、バイクの免許を取って3年目になるので、脱初心者を目指して、スキルアップに励みたい。
体重(荷重)移動で曲げる?
バイクは「下半身で乗る」とか、「体重移動で曲げる」というような話は、バイクの乗り方の基本として、よく耳にする。
しかし、初心者が、いざ公道に出てみると、なかなか思うようには、曲がってくれない。
残念ながら、教習所では、「コーナーをいい感じに曲がる技術」までは習得できないので、仕方がないので、免許取得後に練習するしかない。
しかしながら、立ちゴケとは違い、コーナリングは、実際に事故ってみて覚えるというわけにはいかない。
交差点のような低速時には、バイクのハンドルを曲がりたい方向に切って曲がるけど、スピードが出ている場合には、それでは曲がらない。
コーナーでは、基本的にハンドル操作ではなく、体重(荷重)移動や、バイクを寝かせて(バンクさせて)曲がるのだが、頭では分かっていても、実際にやってみると、初心者には、なかなか難しい。
バイクが曲がらない理由
バイクが曲がらない一番の理由は、はっきりしている。
それができないから、曲がらなくて怖い思いをするのだ。
免許を取った人なら、誰でも知っていると思うけど、バイクが曲がらない最大の理由は、おそらく「上半身(腕)に力が入っている」からだ。
「バイクを下半身でホールド(ニーグリップ)して、腹筋と背筋も使い、腕の力は抜く」
というのが、基本の乗り方になる。
「腕の力を抜く(腕に力を入れない)」というのは、ほんとうに重要だ。
その上で、荷重移動や、首(肩)から動かして目線を行きたい方に向けられれば、バイクは勝手に曲がってくれるはずだ。
しかし、頭では分かっていても、つい力が入ってしまうから、バイクが曲がってくれない。
腕に力が入ることで、バイクが曲がろうとするのを阻む(セルフステアを阻害する)ことになる、というのが理論的な理由だろうか。
コーナー(カーブ)に自身がないと、
曲がらないかも⁉(怖い⁉) → 腕に力が入る(✕) → バイクが曲がらない!
という事態に陥ってしまう。
下りコーナーでは、その段階で恐怖心から、思わずフロントブレーキをかけてしまえば、バイクは起きようとするので、ますます曲がってくれない。
まずは、コーナーの侵入時に、コントロールできる速度まで減速するというのは、速度域の差こそあれど、初心者だろうが上級者だろうが一緒だと思う。
大前提として、曲がれる自身がない速度で、コーナーに突っ込む必要はなく、それは自殺行為といえる。
バイクは真っ直ぐに走るのが得意
バイクが曲がらない理由は、腕に力が入っているからなので、腕の力を抜きさえすれば、セルフステアを阻害しないので、バイクは曲がりやすくなるということは分かった。
しかし、それでも何もしなければ、バイクは真っ直ぐに走ってしまう。
たとえ、人が乗っていなくても、しばらく真っ直ぐに走っていってしまうくらい、バイクはまっすぐ走るのが得意なのだ。
だからコーナーでも、真っ直ぐに走って行ってしまいそうで、それが初心者が怖いと感じる理由かもしれない。
バイクは、バンクさせる(倒し込む)ことで曲がる乗り物だけど、そのためにはキッカケが必要で、その方法は、たくさんある。
また、複数のキッカケを組み合わせて、倒し込みをコントロールできるようになれば、コーナーでの恐怖心はなくなり、むしろコーナーが楽しくなってくる。
倒しこみのキッカケは、バイクのバランスを崩してあげればいい。
そして、バランスを崩すには、前後または左右に、荷重を変えてあげればいい。
それは、ブレーキングやアクセルワーク(前後)だったり、体重移動(左右)だったりする。
それらを意識的にコントロールしてやっているのか、たまたま上手くいっただけなのかによって、コーナーが楽しくなるか、不安を感じるのかが変わってくる。
倒しこみのキッカケ
真っ直ぐに走っているバイクのバランスを崩し、倒しこみのキッカケをつくるための方法(動作・テクニック)は、いくつもあるけど、代表的な方法は、以下の5つだろう。
(シート荷重・リーンイン)
② ステップ荷重
(インステップを踏み込む)
③ タンク荷重
(外ヒザによるタンクプッシュ)
④ 逆操舵
(プッシングリーン)
⑤ ブレーキリリース
(フロントブレーキを離す)
これらの方法は、単独で使うよりも、組み合わせることで、さらに効果的になる。
というか、実際には、これらを単独で使用しても、バンクしてくれない(曲がってくれない)場合が多い。
実際のキッカケとしては、
(インステップを踏み込む)
④ 逆操舵
(プッシングリーン)
⑤ ブレーキリリース
(フロントブレーキを離す)
あたりが有効で、それに合わせて、
(シート荷重・リーンイン)
③ タンク荷重
(外ヒザによるタンクプッシュ)
を組み合わせてあげることで、バイクがバンクして、曲がってくれるようになる。
逆操舵(プッシングリーン)の代わりに、アウトステップを踏み込むことで、逆操舵にすることもできる。
簡単にまとめると、
ステップワークと体重移動の組み合わせが、バイクをバンクさせて曲がるためには、大切ということになる。
スポーツタイプのバイクなら、ハングオフフォーム、アメリカンタイプのバイクなら、白バイ隊員のテクニックを学ぶと、バイクの特性に合った安全な乗り方ができるように思う。
おわりに
バイクによって、特性が違うので、一概に、このような乗り方が良い、と決めつけることはできない。
また、走るステージや速度域、履いているタイヤなどによっても、安全に速く曲がる方法は違ってくる。
公道でのミスは危険なので、できれば、サーキットなどのクローズドコースで練習するのが望ましいことは分かっているのだけど、なかなか機会がない。
そして、自己流よりも、ライディングスクールのようなところに参加して、コツを教えてもらったほうが、上達もかなり早いと思う。
しかし、それには、ツナギなどの安全装備を用意する必要があるだろう。
いつ(何歳)までバイクに乗れるのか分からないけど、手遅れになる前に、必要なものを用意して、ライディングスキルを磨きたいものだ。
公道での無茶な走り(練習)は慎みながら、スキルを磨いて、バイクライフを楽しみましょう。
コメント