バイクはカッコよくなくてはならない。
日本では、多くの若者はバイクなんかには乗らず、おじさんライダーが、あまりカッコいいとは言えないバイクに、これまた、あまりカッコいいとは言えない服装と装備で、バイクに乗っているイメージが強かった。
パンデミック以降に起こったバイクブームによって、日本でもバイク人口が増えた。
警察庁免許統計によれば、2017年を底にして、国内の大型+普通自動二輪の免許交付数が2022年には+31%で約30万件と大きく増えた。
若者を中心に、レブル250のようなバイクがたくさん売れて、カジュアルにバイクを楽しむ若者が増えたようだが、少しは、かっこいいバイクや、かっこいいライダーは増えたのだろうか。
若者のバイク人口が増えるということは、中型〜大型バイクよりも、手に入れやすい小排気量のバイクが増えるのは当然だろう。
小排気量のバイクと言うと、125cc か 250cc のバイクをイメージしてしまうが、昨今のバイク市場は、どうやらそうでもないらしいことが分かった。
軽二輪車(排気量125cc~200cc)も悪くない⁉
冷静に考えたら、車やバイクにお金をかける行為は、無駄以外の何ものでもない。
しかし、生きることは無駄を楽しむことだとも言える。
三大欲求を満たすだけなら、人間として生まれる必要がないのかもしれない。
とはいえ、そんな余裕なんてないと思う人も多いかもしれない。
確かに、ヨーロピアンバイクやハーレー、その他の大型バイクを買って、カスタマイズして、維持するのはお金がかかる。
しかし、お金に余裕がある人や、公道でもツナギを着て走るようなガチ勢を除けば、250cc以下のバイクでも、ぜんぜん楽しめると思う。
さすがに125ccだと高速道路には乗れないので遠出はできないが、遠出もそんなに頻繁にするものでもない。
ただ、150ccクラスや250ccクラスを選べば、もう少し行動範囲が広がるし、迷惑をかけずに、大きなバイクとも一緒に走れるようになる。
普通自動車免許で、400cc以下まで乗れるが、150ccや250ccには、車検がなく、維持費もそれほど高くない。
さらには、カスタマイズの自由度も高くなるので、長く乗るにはいい排気量帯なのではないかと思う。
タイでカスタマイズされたXSR155
アジア市場向け 海外専用モデル
排気量が150cc〜200ccの軽二輪バイクは、日本では、あまり馴染がないように思うが、アジア全体でみると、かなり人気のクラスらしい。
とくに、インドネシアやタイ、インドなど、バイクの販売台数が近年、著しく伸びている国々では、排気量150ccクラスのバイクは、一般的な排気量なのだそうだ。
そうなれば、日本のバイクメーカーも、それらの国では、さまざまなモデルを投入してもおかしくない。
たとえば、
ホンダなら、CBR150R、CB150X
ヤマハなら、 R15M、MT-15、XSR155、WR155X/R
カワサキなら、ニンジャ150SS/RR、KLX150、W175
スズキなら、ジクサー150
などが、主にアジア市場向けに開発された、海外専用モデルとして数多く存在する。
それらは、日本国内では正規販売されていないが、並行輸入車として、業者が仕入れたものを購入することができる。
正規販売車ではないので、日本のバイクディーラーで、保証やアフターサービスを受けることは出来ないが、オイル交換やタイヤ交換などは、近くのバイクショップにお願いすれば、やってもらえるだろうから、心配いらない。
パーツやカスタムパーツが有無が問題だが、XSR155 の場合、日本未発売モデルとしては珍しく、カスタムパーツが豊富に流通している。
また、国内の正規販売車(XSR125など)のパーツが流用できることも多いので、なんとかなりそうだ。
最後は盆栽になろうとも…
アジアンバイクというと、なんだか品質の悪い安物のようなイメージを持つ人もいるかも知れない。
しかし、人口動態や経済成長率で比較すると、ここ数十年で、日本と東南アジアの関係は、大きく変わっている。
経済成長率の低迷、少子高齢化、超円安などが進み、もはや日本は、先進国とはいえなくなっている。
むしろ、東南アジアやBRICsなど、昔の日本人が下に見ていた国のほうが、よほど国力があり、豊かで勢いがある。
そして、それらの国は、当然、若者も多い。
かつては、東南アジアなどから日本に出稼ぎに来る外国人が多かったが、これからは、日本人が海外に出稼ぎに行く時代になるだろう。
とはいえ、日本の技術力は高く、いいバイクを作る力は残っている。
しかし、排ガス規制やABSの義務化などの規制を受け、今後は、ますます電動化へ向かって行きそうだ。
排ガス規制は、ユーロ5、6、7…と厳しくなる一方なので、乗りたいバイクが新車で買えるうちに買って、大事に乗り続けたい。
車検のない軽二輪車(排気量125cc~250cc)の、ちょっとレトロなタイプのバイクなら、売ることは考えずに、自由にカスタマイズしながら、長く所有することができると思う。
最後は、盆栽になろうとも。