2014年11月にバイクのABS義務化が発表され、新型車の場合は2018年10月から、継続車種の場合は2021年10月(生産分)から、義務化が導入されている。
では、輸入車の場合、2021年10月以降、ABSなしの新車を、日本国内で購入することができなくなったのだろうか?
輸入車のABS義務については情報が少なく、「XSR155 にもABSが付いている」などの情報すらあるのだが、実際には、XSR155 にABSは付いていない。
実際のところ、バイクのABSが義務化されて(2021年10月)以降の、輸入車の新車購入はできるのか?
できたとして、それは合法なのか違法なのか、それともグレーゾーンなのか?
XSR155 にはABSが付いていない
アジア市場向け海外専用モデルである XSR155にはABSが付いていない。
2021年10月の中古車であれば問題ないのだが、それ以降に生産されて輸入されたモデルについては、どうなるのだろうか?
ABSが必要かどうかは、個々の判断に委ねるとして、問題は、それを国内で購入することができるのか?そして、それは合法なのか?ということが気になる。
原付および250cc以下のバイクには車検制度がないので、250cc以下のXSR155にも車検はない。
なので、登録してナンバーが取得できれば、その後は、問題なく乗り続けることができるだろう。
ネットでの質問と回答
XSR155とABS について、ネットで調べてみると、こんな質問があった。
XSR155について
中古情報を見るとABSがついてるものがありますが、特に説明はないですが、あれってオプションですか?社外ですか?掲載ミスですか?
それに対する回答は、
現在125cc超のバイクには、装備が義務化されています。
国際的な流れですから、輸入車のXSR155もそうなっています。
というものだった。
◯◯◯ 知恵袋なんて、安易に信用してはいけない。
もう少しまともなスレもあった。
バイクの並行輸入車に関しての質問です。
既に法律でABS義務化になっていますが、2022年モデルのABS無し新車が有名バイク雑誌などで堂々と売ってます。並行輸入車ならABS無しでも問題無いのでしょうか?
それに対する回答は、
型式認定を取る正規輸入車と違い、並行輸入車は年式不明になるので、対象年度がある規制は原則適用されません。
道路運送車両法の保安基準のように、対象年度関係ない規則は適用されます。
というものだった。
結論から言うと、おそらくこれは正しい認識だ。
時折、ネットで新車を探しているときに、新しめのXSR155の新車(明らかに去年か今年のモデル)が、「年式不明」と掲載されていることがあるが、それを掲載しているショップは、信用できそうだ。
逆に、「ABS付き」などと掲載しているショップは、信用できない。
並行輸入車と正規モデル
並行輸入車のABSについては、
型式認定を取る正規輸入車と違い、並行輸入車は年式不明になるので、対象年度がある規制は原則適用されません。道路運送車両法の保安基準のように、対象年度関係ない規則は適用されます。
おそらくこれが、正しい認識だが、販売リスクが少なく、利益率の高い、国内の正規モデルを売りたいショップも多いかもしれない。
そのようなショップは、以下のような回答をしてくる場合がある。
2021年10月以降のバイクのABS義務化に伴い、輸入車も国内モデルと同じくABS装備義務の対象となるが、システム上、車両の持込不要の軽二輪の登録は可能だと思われる。
ただ、保安基準に適合していない車両となるので、公道走行が禁止扱いとなる。
発覚した場合、法律違反となるが、現在、取り締まる罰則がないため「整備命令」が出され、保安基準に適合する状態に改善するまで「整備命令」は解除されない。
また、保安基準に適合していない車両は、任意保険の支払い対象外になる恐れもある。
これは、ABSなしの並行輸入車も、買おうと思えば買えるけど、やめておいたほうが安心(グレーゾーン)ですよ。なるべく正規モデルを買いましょう。
ということを言っている。
XSR125 と XSR155
ちなみに、国内正規モデルのXSR125と、並行輸入車モデルのXSR155の新車価格を比較すると、輸入コストが上乗せされているにもかかわらず、XSR155のようが価格が安い。
XSR155のほうが価格が安い上に、エンジンパワーがあって、高速道路にも乗れる。
ABSが付いていないバイクには怖くて乗れない、という人はXSR125の方がいいだろう。
また、国内の正規ディーラーや正規取扱店で購入して、メンテナンスも、そこで行いたいという場合も、XSR125の方がいいだろう。
それ以外の人は、XSR155 を選んでも大丈夫そうだ。
YSP(YAMAHA MOTORCYCLE SPORTS PLAZA)のなかには、XSR155 も並行輸入車として取り扱っているショップもあるので、そういうショップならメンテナンスやカスタムも安心だ。
現状では、「並行輸入車に関しては、ABSが付いていなくても、規制の対象にはならない」というのが、今回、私が調べた限りの結論となる。
心配な人は、さらに自分で調べてみてほしい。