ハーレーのインジェクション・チューニングには、2通りの方法がある。
ECM(エンジンコントロールモジュール)と呼ばれるコンピューターを、社外品(フルコン)に交換してしまう方法と、純正のECMの中身を書き換える方法(フラッシュチューニング)だ。
そして、そのチューニング方法にも、2通りがある。
それは、セッテイングに、「シャーシダイナモ(シャシダイ)」を使うか、使わないかの2通りだ。
シャーシダイナモとは
「シャーシダイナモ」とは、単に、測定する車体が、何馬力くらい出ているかを計るだけの装置ではない。
ハーレーなどの、様々な走行条件を再現できる、インジェクション・チューニングに欠かせないな装置だ。
「シャーシダイナモ」には、A/F計が連動しているので、「ワイドバンド」のO2センサーにより、すべての領域でA/F(空気とガソリンの混合比)を計測し、セッティングデータを採取できる。
ハーレーの純正コンピュータ(ECM)では、検知幅が狭い「ナローバンド」のO2センサーが使用されるが、フルコンを使用する場合は、検知幅が広い「ワイドバンド」のO2センサーを使用する。
純正のコンピューター(ECM)を使うフラッシュチューニングでは、チューニング中のみ「ワイドバンド」のO2センサーを、エキゾーストパイプに取り付けて使用し、チューニングが終わったら「ナローバンド」のO2センサーに戻すようだ。
シャーシダイナモは必要?
ハーレーのインジェクション・チューニングの方法には、「シャーシダイナモ」を使うか、使わないかの2通りがある。
正確に言えば、「シャーシダイナモ」があるディーラーやショップで、インジェクション・チューニングを行うのか、「シャーシダイナモ」がないディーラーやショップで、インジェクション・チューニングを行うのかの2通りだ。
「シャーシダイナモ」とは、装置の上で、様々な走行条件を再現できる、インジェクション・チューニングに必要な装置だ。
そして、チューニングの結果を、グラフで確認することもできる。
シャーシダイナモがない場合
「シャーシダイナモ」がない場合は、どのようにチューニングするかというと、
試乗してデータを取りセッティング、そして、また試乗してデータを取りセッティング…
を繰り返すことになるのだが、実際には、全ての条件下での走行、および、セッティングデータを採取することは、ほぼ不可能といえる。
そのため、「シャーシダイナモ」なしで、インジェクション・チューニングを行うのは、かなり難しい、または、不完全なチューニングということになってしまう。
また、チューニングの結果を、データで確認することもできない。
実際には、「シャーシダイナモ」がない、ディーラーやショップのほうが多いことだろう。
その場合は、日帰りできるくらいの距離で、「シャーシダイナモ」があるディーラーやショップを探すといい。
宿泊を伴うような遠方の場合、アフターが面倒だ。
頻繁に通って、チューニングをしてくれるメカニックと、仲良くなれるくらいの距離の方が、後々、何かと都合がいい。
おわりに
私の場合も、ハーレーを購入したディーラーには、残念ながら「シャーシダイナモ」はない。
そのため、自宅からは、少し遠くなるが、「シャーシダイナモ」があるディーラーで、インジェクション・チューニングを行うことにした。
しかし、他のディーラーでチューニングした車両を、何かあったからと言って、購入したディーラーに持ち込んでも、対応ができない、または、対応してもらえないことも考えられる。
そのため、何かあったときには、そこまで乗って行って、見てもらえるくらいの距離で、チューニングを行ったほうがいいだろう。
実際に私も、気になる点があったので、後日、再度、微調整してもらった。
その際には、チューニングに使用したデバイスが必要になるので、忘れずに持っていこう。
なぜ、わざわざ、そんなことをいうのかと言うと、私は、一度、忘れているからだ(アホだ)。
チューニングに使用したデバイスがないと、ハーレーに乗って行っても、何もできないので、ただのツーリングになってしまう。
ということで、「シャーシダイナモ」がないディーラーやショップでも、インジェクション・チューニングは可能だが、しっかりとチューニングしてもらいたいのなら、「シャーシダイナモモ」があるディーラーやショップでチューニングしてもらったほうがいいだろう。
インジェクション・チューニングにかかる総額は、そう大きくは変わらないはずだ。
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