多くの場合、車やバイクなどの乗り物のカタログには、エンジンの排気量に加えて、最大トルクや最大出力(馬力)などが記載されている。
しかし、最近のハーレーのカタログには、エンジンの排気量と最大トルク(あくまでもカタログ値)の記載はあるが、最大出力(馬力)の記載はない。
ネット上で探しても、実測データ等の最大出力(馬力)は、いくつか見つけることができるが、公式の最大出力(馬力)は、見つけることができない。
それは、なぜだろうか?
ハーレーの最高出力は公表されていない
昔のカタログには、掲載されていたようだが、現在では、ハーレーの最高出力は公表されていない。
その理由としては、
ハーレーは、あくまでも、低速でのトルクが売りであって、最大出力を重視していないためだといわれている。
エンジンの最大出力(馬力)の数字だけをみるなら、国産バイクの中には、200馬力(PS)を超えるようなバイクが多数ある。
しかし、一般的に、公道での日常走行において、重要なのは、低速トルクのほうだ。
仮に、エンジンの最大出力(馬力)をハーレーが公表すると、
「ハーレーの最大出力(馬力)はこの程度なのか⁉」
と思われ、性能を誤解されてしまうことを避けているのかもしれない。
多くの人は、最大トルクよりも、最大出力(馬力)の数値で、乗り物の性能を判断しがちだ。
実際には、レースに出場するわけでもないのでであれば、最大出力(馬力)の数値にこだわる必要性は、少ないように思う。
ちなみに、バイクは車に比べて、はるかに軽量なので、最大出力は50馬力もあれば十分だ、とも言われている。
ミルウォーキーエイト(Milwaukee-Eight)
2019年現在の最新エンジンは、9代目となる「ミルウォーキーエイト(Milwaukee-Eight)」だ。
「ミルウォーキーエイト(Milwaukee-Eight)」の排気量は、
・114ci(1,868cc)
の2タイプが設定される。
最大トルク
たとえば、「ミルウォーキーエイト(Milwaukee-Eight)」搭載のソフテイルファミリーの、ノーマル状態での最大トルク(公表値)は、
・114ci(1,868cc)…155Nm(3,000rpm)
となっているが、これはカタログ値なので、実測値は、もっと低い。
トルクを表す単位「Nm」を「kgf・m」に換算すると、
1Nm = 0.10197kgf・m なので、
・145Nm = 14.78588kgf・m(≒14.78kgf・m)
・155Nm = 15.8056kgf・m(≒15.80kgf・m)
となる。
最大出力(馬力)
一方、「ミルウォーキーエイト(Milwaukee-Eight)」搭載のソフテイルファミリーの、ノーマル状態での最大出力(馬力)は、公表されていない。
しかし、
・114ci(1,868cc)… 80 〜 90馬力
だと思われる。
もちろん、個体差もあるので、実際には、シャーシダイナモなどで測定してみないとわからない。
おわりに
「ミルウォーキーエイト(Milwaukee-Eight)」は、マフラーとエアクリーナー、そしてカムを交換して、インジェクションチューニングをおこなえば、軽く100馬力を超えるようだ。
しかし、カムまで交換すると、それなりにお金もかかる。
お金が余っているなら、フルカスタムすればいいが、そうでなければ、そこまで馬力にこだわる必要があるのか、考えたほうがいいかもしれない。
ただ、「ミルウォーキーエイト(Milwaukee-Eight)」の107ci(1,745cc)と114ci(1,868cc)には、購入時の価格差がわりと大きい。
個人的には、カムまでは交換をしない114ci(1,868cc)よりも、カムまで交換をした107ci(1,745cc)のほうが、コスパがいいように思う。
お金が限られているなら、どこまでカスタムするのかを考えたうえで、107ci(1,745cc)か114ci(1,868cc)を選ぶといいと思う。
個人的には、107ci(1,745cc)で十分ではないかと思うのだが…
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