大型自動二輪免許取得の卒検を通過するために、避けて通れない種目のひとつとして「一本橋」がある。
「一本橋」は、正式名称を「直線狭路コース」と言い、「平均台」とも呼ばれる。
「一本橋」では、
「狭い道路でも、低速で安全に走行出来る技術の修得」
が目的とされている。
バイク初心者からすると、
「こんなの絶対に無理!」
という感じだ。
たいていの場合、はじめはノーアドバイスで、試しに渡らされるが、まず落ちる。
しかし、コツさえ分かれば、落ちずに渡れるようになる。
渡れるようにさえなれば、あとはスピードを殺して、タイムを稼ぐだけだ。
今回は、「一本橋」のコツについてまとめてみた。
一本橋とは
「一本橋」は、「橋」のような細いコースを、特定の目標タイム以上の時間をかけて渡り切る種目だ。
「橋」と言っても、教習で走行する「一本橋」は、基本的に地面とほぼ同じ高さなので、落ちても転倒する危険性は少ない。
一本橋の形状
一本橋の形状は、
の直線路となっている。
教習では、「一本橋」の手前3mの停止線からスタートする。
目標タイム
「一本橋」の目的は、「狭い道路でも、低速で安全に走行出来る技術の修得」なので、低速で時間をかけて、ゆっくりと通過する必要がある。
そのため、以下のような「目標タイム」が定められている。
・普通二輪(400cc以下)・・・7秒以上
・大型二輪(401cc以上)・・・10秒以上
大型の場合は、10秒以上が目標となる。
合否基準
自動二輪免許の卒検では、目標タイムを下回って「一本橋」を通過してしまっても、失格にはならない。
目標タイムよりも早く通過した場合は、減点対象となるだけだ。
減点は、1秒不足ごとに5点減点と定められている。
1~3秒ほどの不足であれば、それほど気にせずともよさそうだ。
失格
卒検では、目標タイムを下回って「一本橋」を通過してしまっても、失格にはならない。
しかし、
「一本橋」を通過出来なければ、その時点で失格となる。
なにはともあれ、落ちずに通過することだ。
一本橋のコツ
乗る位置・姿勢
「一本橋」では、次のようにバイクに乗るといい。
・くるぶしでバイクを挟み、つま先を少し内側に向け「ニーグリップ」
・ヒジに余裕があるフォームを心がける
しっかりと「ニーグリップ」ができないと、走行は安定しない。(たぶん落ちる)
「ニーグリップ」は、体とバイクを一体化させるので、低速走行でも重心がぶれにくくなる。
そして、ハンドル操作がスムーズにできるように、ヒジに余裕をもたせて、肩の力は抜いておく。
目線
「一本橋」においては、目線がかなり重要だ。
そもそもバイクは、目線の方向に進む性質があるので、ゴールの先へ目線を固定させよう。
その状態でも、乗るときの段差は、視界に入っているはずだ。
乗りはじめ(段差)
「一本橋」は、それぞれの端が、斜めに加工されている。
しかし、気をつけないと、いきなり、ここでバランス崩す。
もしも、慎重にゆっくりと前輪を乗せようとすると、バランスを崩してしまい、うまく乗せる事ができない。
仮に乗れたとしても、すでにバランスが崩れてしまっていれば、最後まで脱輪せずに通過することは難しい。
時間を稼ぐのは、バイクが完全に一本橋に乗ってからでいい。
「一本橋」に上手く乗るコツは、
ある程度の速度を出して、勢いよくスパッと乗ってしまうことだ。
(慣れてくれば、ゆっくり乗れるようにもなる)
そして、乗ってから、半クラッチや後輪ブレーキで速度を落とせばいい。
通過中
バランスを崩さずに、「一本橋」に乗ってしまえば、あとは渡り切るだけだ。
最悪、目標タイム以下になってしまっても仕方がない。
なにしろ、落ちれば、即失格だ。
もしも、タイムを稼ぎたい場合は、ほぼ渡りきれそうだという確信が持てた後半で、スピードを殺してタイムを稼ごう。
通過中は、
・後輪のブレーキ
・ハンドル操作
を上手くコントロールし、バランスを取りつつ、可能な限り速度を落として渡り切る。
「フロントブレーキ」は、絶対に使わない。
スロットルは、「半クラッチ」状態のまま、なるべく回転数を維持する。
二輪車は、後輪に動力が伝わっていると安定するのだ。
バランス
「一本橋」では、頭や体(重心移動)でバランスを取ろうとしてはいけない。
バランスは、
ハンドルを小刻みに、左右に動かして取る。
重心は、移動させず、ぶれないようにする。
降りるとき(段差)
降りるときは、とくに問題ない。
前方を見ながら、そのまま、ゆっくりと降りるだけだ。
端の段差など、気にする必要はない。
一本橋のコツ(まとめ)
② 勢いをつけて乗り上げる
③ すぐに半クラッチ、アクセルは開け続ける
④ スピードはリヤブレーキで調整、常にニーグリップを意識
出典:https://www.tandem-style.com
おわりに
「一本橋」は、何の知識もないと、まったく歯が立たない。
しかし、コツさえ抑えてしまえば、なんということはない。
ポイントは、
・ニーグリップ
を、しっかり意識することだ。
「視線」と「ニーグリップ」が出来ていないと、絶対に安定しない。
これは、操作というよりは、二輪車の構造上の特性なので、無視できないし、まぐれはない。
逆に、このふたつさえ、しっかりできていれば、まぐれでも渡れてしまう。
そのほかの多くの操作は、どちらかと言うと、速度を殺すための操作だ。
卒検本番では、とにかく落ちないことが最優先課題となる。
速度(時間)は、余裕があればなるべく殺したほうがいいが、それで脱輪するくらいなら、一気に渡りきってしまったほうが、合格への望みはつながる。
ハーレーの場合、「ニーグリップ」を使わない(出来ない)乗り方になるかもしれないが、教習所を卒業して、免許を取得するためには、「ニーグリップ」ができなくては始まらない。
「ニーグリップ」は、体とバイクを一体化させるので、低速走行でも重心がぶれにくくなる。
通常の走行では、軽めの「ニーグリップ」でもいいが、「一本橋」、「スラローム」、「S字」、「クランク」など、低速で、バイクが左右に振れるような場合には、強めの「ニーグリップ」を意識しよう。
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