バイク乗りのファッションアイテムといえば、レザージャケットを連想する人も多いかもしれない。
ライダースジャケットは、ハーレー乗りの正装とも言われるほどだ。
ライダースジャケットの良いものは、とても高価だが、せっかく買うのなら、中途半端なものではなく、「これだ！」というものを買って、一生モノとして使いたい。
ただ、ライダースジャケット以外にも、ハーレーに乗るときに着たいジャケットはある。
そのひとつが、ミリタリージャケットだ。
フライトジャケット
そもそも、ライダースジャケットの歴史を遡ると、第一次世界大戦時のフライトジャケット（革）にたどり着く。
当時、革製のフライトジャケットは、気温が低い高度を飛ぶ軍用機のパイロットに支給されていた。
その後、革製のフライトジャケットは、汗や水分によって、生地が凍ってしまうのを防ぐため、主に、ナイロン生地が使われるようになっていった。
いまでも、映画『トップガン』で、トム・クルーズが着用していたような、革製のフライトジャケット（G-1・G-2）もあるが、ミリタリージャケットの多くは、ナイロン素材やコットン素材、ナイロンとコットンの混紡などが主流だ。
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ちなみに、ライダースジャケット（基本的にはダブル）は、バイク乗りが必要とする機能を取り入れながら、独自の進化を遂げていくことになる。
ミリタリージャケット
ミリタリージャケットといえば、ALPHA INDUSTRIES（アルファ・インダストリーズ）が老舗のブランドだ。
ALPHA INDUSTRIES（アルファ・インダストリーズ）
ALPHA INDUSTRIES（アルファ・インダストリーズ）
アメリカ軍に納入するフライトジャケットの製造からビジネスをスタートし、アメリカ国防総省に4千万点以上の納品実績を持つ。
MA-1、M-65、N-3B等のミリタリージャケットが有名。
但し、現行販売されている商品は政府規格（ミルスペック）と異なる民間向け商品が大多数を占める。
日本国内においてはエドウインがライセンスを保有しビジネスを展開している。
1986年に放映された映画『トップガン』の影響で、黒いMA-1が日本で大流行したことがある。
出典：Wikipedia
ミリタリージャケットには、いくつか種類があるが、代表的なものをいくつか紹介する。
MA-1
ミリタリージャケットの定番といえば、誰もが見たことのあるであろう、「MA-1」だ。
「MA-1」は、フライトジャケットという性質上、防風だけでなく防寒性にも優れている。
袖や裾にリブを採用し、体にピッタリとフィットし、風の進入を防いでいる。
しかし、もともと機内のパイロット用のため、丈は短めだ。
また、襟元が少し淋しい（寒い）気もする。
「MA-1」より薄手で、中綿のない夏期用の「L-2B」というフライトジャケットもある。
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N-2B
夏用の「MA-1」とは違い、生地に厚手のヘビーツイルナイロンを使用し、ボア付のフードが備わっているのが「N-2B」だ。
フードは、センターのジッパーで2つに分かれるものもある。
「N-2B」のほうが、「MA-1」よりも、はるかに防寒性が高い。
「N-2B」も、「MA-1」同様に、機内のパイロット用に作られているため、丈はショート丈になっているものが多い。
また、「N-2B」の裏地は、「MA-1」とは違い、オレンジ色にななっていない。
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MADE IN U.S.Aのデッドストック
N-3B
ショート丈の「N-2B」に対し、丈が長めなのが、「N-3B」だ。
「N-2B」との主な違いは、丈の長さと、裾と袖口がニット製でなく、表地がすべて同じ布で構成されている点だ。
「N-2B」が、機内のパイロット用なのに対し、「N-3B」は、軍の地上部隊のために作られたジャケットだ。
そのため、機内よりも、さらに極寒での活動に対応するために、丈が長く、保温性により優れた作りになっている。
「N-3B」は、「N-2B」の丈が長いタイプという認識でOKだ。
M-65
前面に4つのフラップ付きポケットが特徴の「M-65」も、人気のミリタリージャケットだ。
「M-65」は、フィールドジャケットとも呼ばれる。
また、取り外し可能なライナーがついているタイプは、季節によって調整が可能だ。
「M-65」は、「M-51（モッズコート）」を継承しているため、「M-65」と「M-51」は、似ている部分も多いが、「M-51」との主な違いは、生地がコットン100%から、ナイロンとの混紡になっている。
「M-65」のフロントファスナーには、アルミ製、真鍮製、プラスチック製などがある。
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おわりに
ミリタリージャケットととして有名な「MA-1」、「N-2B」、「N-3B」、「M-65 」などを紹介したが、実際に現行販売されている商品は、政府規格（ミルスペック）と異なる。
そのため、作りや価格にもよるが、ミルスペックほどの機能性は、持ち合わせていない製品もある。
もちろん、軍放出品や、それなりのスペックの商品もある。
いずれにしろ、フライトジャケットやアウトドアが発祥の、防寒目的で作られたジャケットは、フロントがジップとボタン（スナップボタン）の二重仕様タイプのものが主流だ。
これは、当然、外からの、風の侵入を防ぐための仕様だ。
風の侵入を防ぐというのは、バイクウェアにとっては、重要なポイントとなる。
保温に関しては、ジャケットの中に着るウェアに任せればいい。
ハーレーにミリタリージャケットという組み合わせは、個人的には好きな組み合わせだ。
ライダースジャケットもいいが、お気に入りのミリタリージャケットも持っておくと、着こなしの幅が広がることは間違いない。
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