現行のハーレーを新車で買った場合、もしかしたら、1ヶ月もしないうちに、ノーマルでは、物足りなくなるかもしれない。
高いお金を払ってハーレーを買ったものの、
「なんだか、思い描いていた、ハーレーのイメージと違うんだよな〜」
という思いが芽生えてしまうと、どうにも我慢できなくなってくる。
そうなると、やはり、ハーレーをカスタマイズすることになる。
まず、ライトカスタムの基本といえば、主に給排気系のカスタマイズだろう。
つまり、マフラーとエアクリーナーの交換だ。
これだけで、ハーレーの見た目とサウンドは、大きく変わる。
本来であれば、給排気系(マフラーやエアクリーナー)を交換したら、インジェクションチューニング(燃調)は行いたい。
今回は、ハーレーのカスタマイズで、真っ先に行いたい、マフラー交換について。(インジェクションモデル限定)
マフラー交換は2通りある
マフラー交換には、2通りの方法がある。
フルエキ
ひとつめの方法は、一般的に「フルエキ」と呼ばれるタイプのマフラーに交換する方法だ。
「フルエキ」タイプのマフラーは、「エキパイ(エンジン接合部)」から、全て交換することになる。
ちなみに、「エキパイ」とは、「エキゾースト・パイプ」の略で、「フルエキ」とは、「フル・エキゾースト」の略だ。
「フルエキ」タイプのマフラーは、エキパイからトータルで設計してあるので、マシンの持つポテンシャルを、より引き出すことができる。
スリップオン
もうひとつの方法は、エキパイはノーマルのまま残し、サイレンサーの部分だけを交換する「スリップオン」と呼ばれるタイプのマフラーに交換する方法だ。
ノーマルのマフラーは、エキパイとサイレンサーが、クランプで固定されているので、クランプを緩めると、簡単にサイレンサーだけを、取り外せるような構造になっている。
「スリップオン」タイプのマフラーは、エキパイを交換しないので、比較的交換しやすく、価格も手頃になる。
最近のハーレーのライトカスタムでは、「スリップオン」タイプのマフラーの性能が向上していることもあり、「スリップオン」タイプが、多く選ばれているようだ。
ちなみに、私が交換したマフラーも「スリップオン」タイプだ。
⇒ ハーレーのマフラー交換!バンス&ハインズ イリミネター300 スリップオン(Vance & Hines Eliminator 300 Slip-Ons)
取り付けた当初は、大いに感動したものだが、いまでは、若干、物足りなさを感じている。
フルエキとスリップオンの違い
「フルエキ」と「スリップオン」の違いは、いろいろある。
価格
「フルエキ」と「スリップオン」では、価格がけっこう違う。
価格は、やはり「フルエキ」タイプのマフラーのほうが高い。
それに対して「スリップオン」タイプのマフラーは、比較的、低価格なので、購入しやすい。
性能・サウンド
性能やサウンドに関しては、正直言って、一体設計の「フルエキ」タイプのマフラーのほうが優れている場合が多いだろう。
とは言え、「スリップオン」タイプでも、十分に満足だという人もいる。
「スリップオン」タイプで満足できるかどうかを、よく考えてみたほうがいいと思う。
交換作業
また、交換作業については、「スリップオン」タイプのマフラーは、サイレンサー部分のみの交換となるので、交換作業は、けっこう簡単だ。
「スリップオン」タイプのマフラーであれば、マフラー交換は、インチ対応の工具さえあれば、自分でもできるくらいだ。
もちろん、慣れた人なら、「フルエキ」タイプのマフラーでも、自分で交換できるとは思う。
車検と交換作業
マフラーは、車検に大きく関係するパーツなので、それについても知っておきたい。
車検対応マフラー
ノーマルマフラーのサウンドに満足できなくて、マフラーを交換するというのであれば、車検対応マフラーでは、すぐに物足りなくなることは目に見えている。
そのため、車検対応マフラーは、あまりオススメではない。
しかも、車検対応マフラーは、価格が高い。
車検時の交換作業
車検対応ではないマフラーを選んだ場合は、車検の度に、いちどノーマルマフラーに戻さないと、車検が通らない。
交換したマフラー音量の問題ではなく、承認の刻印がない時点でアウトらしい。
そして、車検後は、また、お気に入りのマフラーに戻すことになる。
つまり、車検の度に、2回ずつのマフラー交換作業が発生するということになる。
そのため、交換の手間や工賃などについても、ある程度は、あらかじめ、知っておいたほうがいいだろう。
もちろん、ノーマルマフラーは、絶対に処分しないで、車検のときまで、きちんと保管しておこう。
車検のときになって、ノーマルマフラーを買うとなうと、かなりの高額を払うことになる。
基本的に、ノーマルマフラーや車検対応マフラーは、満足できるサウンドではないのに、価格だけは高い、ということは覚えておこう。
インジェクションチューニング
性能やサウンドに関しては、「フルエキ」タイプのほうが優れている場合が多い。
そのため、いずれは「フルエキ」タイプに交換したいと思うなら、はじめから「スリップオン」タイプではなく、「フルエキ」タイプを選んでしまった方がいいかもしれない。
はじめのうちは、「スリップオン」タイプでも、満足に思えたが、慣れてしまうと物足りなくなり、結局、我慢できなくなって、「フルエキ」タイプに再度、交換したというのは、よく聞く話だ。
そして、EFIチューニング(インジェクションチューニング)を行うことを前提として考えると、マフラーは、何度も何度も交換しないほうが、いいのではないかと思う。
インジェクションモデルのハーレーの、ECM(エンジンコントロールモジュールと呼ばれるコンピューター)を、社外品(フルコン)に交換してしまうなら、いいかもしれないが、一般的なフラッシュチューニングで行う場合は、お気に入りのマフラーが決まってから、インジェクションチューニングを行ったほうがいいだろう。
仮に、インジェクションチューニング後に、さらにマフラーを変えても、それほど影響がないとは聞くが、「スリップオン」タイプ同士の交換ならまだしも、「スリップオン」タイプのマフラーから、「フルエキ」タイプのマフラーに交換した場合、やはり、それなりに燃調が狂うのではないかと思う。
インジェクションチューニングの再セッティングを依頼すれば、またお金がかかる。
自分で出来る人はいいのだが…
おわりに
ハーレーのマフラー選びは、けっこう難しい。
実際に、そのマフラーをつけている、同じ車種のハーレーがあれば、実際のマフラーサウンドを聞かせてもらうこともできるが、それができない場合は、良し悪しの判断がしずらい。
実際は、ネット動画や、評判・口コミなども参考して、マフラーを選ぶことになると思うが、自分のハーレーに取り付けて、エンジンをかけてみて、初めて、気に入るか気に入らないかが分かる。
また、はじめのうちは気に入っていても、乗っているうちに、しだいに物足りなくなるという場合も多い。
さらに、一緒に走るハーレーのマフラーサウンドにも、けっこう影響される。
自分のマフラーサウンドが、いちばん大人しければ、一緒に走っていても、他車のサウンドしか聞こえないなんてこともある。(ノーマルマフラーだと泣きたくなる。)
なかなか難しいとは思うが、ハーレーのマフラー交換は、いろいろな面から、よく検討して、「これだ!」というマフラーを見つけたい。
コメント