インジェクションチューニングで、ハーレーの実際の乗りは、どう変わるのだろうか?
実際に、Milwaukee-Eight(ミルウォーキーエイト)107ci のインジェクションチューニングを行う前と、行ったあとの比較を紹介する。
比較車種は、Heritage Classic(ヘリテイジクラシック)FLHCの、2018年モデル。
パワーアップ
どノーマル状態での実測値は、測定していないのでわからないが、マフラーとエアクリーナーを交換しただけの状態と、そこからインジェクションチューニングを行った状態との、実測値の比較データは次の通りだった。
マフラーとエアクリーナーを交換した状態
・最大トルク … 12.93 kgf・m(126.80Nm)
・最大出力 … 78.70 PS(馬力)
インジェクションチューニングを行った状態
・最大トルク … 13.67 kgf・m(134.05Nm)
・最大出力 … 84.03 PS(馬力)
実測値の比較
・最大トルク … 0.74kgf・m(7.25Nm)増加
・最大出力 … 5.33PS(馬力)増加
最大トルクや最大出力を発生する回転数がは、若干、高回転になった。
グラフをみると、トルクに関しては、4,000回転くらいまで、伸び続けている。
最大出力については、5,000〜5,500回転くらいがピークとなっている。
パワーアップよりも…
インジェクションチューニング後の107ci(1,745cc)は、どノーマルの114ci(1,868cc)と同じか、それ以上のパワーになったように思う。
カム交換をまで行なえば、さらなるパワーアップするだろう。
しかし、ハーレーでレースをするわけでもなく、常に高速道路に乗るわけでもないのであれば、パワーについて、それほど問題ではない。
それよりも、普段の一般道での走りが、どう変わるのかということの方が重要だ。
それについては、データではなく、実際に乗ってみないとわからない。
乗り味の変化
インジェクションチューニング後に、走りがどう変わったかの?
シフトダウンが減った
インジェクションチューニング前だったら、シフトダウンしないとモタついたり、ノッキングしそうになるようなギヤと回転数からでも、インジェクションチューニング後は、アクセルを開けると、グイグイと前に出るようになった。
頻繁なシフトチェンジは、ハーレーには似合わない。
ツーリングモデルであれば、なおさらだ。
その意味では、インジェクションチューニング後のほうが、明らかに乗りやすくなった。
アフターファイヤー
マフラーを交換した後は、アフターファイヤーが酷くなることが多い。
実際には、ノーマルマフラーのときに発生していたとしても、ノーマルマフラーのサイレンサーの消音機能が高すぎて、聞こえていなだけということもある。
しかし、マフラーやエアクリーナー交換によって、燃調が狂うことは確かだ。
燃料は濃すぎても、薄すぎても燃焼しきれないので、アフターファイヤーの原因になる。
インジェクションチューニング前は、アクセルオフのときに、「パンパン」「ババババ」うるさかったアフターファイヤーが、インジェクションチューニングによって抑えられることを期待していた。
しかし、
残念ながら、アフターファイヤーは、いまのところ、なくなってはいない。
エンジン温度
インジェクションチューニングを施すことによって、エンジンのオーバーヒート対策になると言われている。
しかし、それについては、インジェクションチューニング後に、まだ、それほど走っていないということと、夏が終わり、外気温が下がってきたので、いまのとことよくわかっていない。
おわりに
インジェクションチューニングには、使用するデバイスは、チューニングを行うショップによっても、若干の幅があるが、少なくとも、10万円以上の費用がかかる。
やらずにすむなら、やらないほうが経済的だ。
しかし、マフラーやエアクリーナーを社外品に交換した場合は、できれば、インジェクションチューニングを行ったほうがいい。
信頼できるディーラーやショップで行えば、確実にエンジンに優しく、乗りやすいハーレーになることだろう。
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