これまで40年以上、生きてきて、バイクというものに興味を持ったことは、一度もなかった。
思えば、祖母から、
「危ないから、バイクだけは乗らないで欲しい」
と、学生のうちから言われていたので、原チャリにすら乗らずに、今日に至っている。
もちろん、父親を含めて、私の家系でバイクに乗っている人間は見たことがない。
そんな祖母も、だいぶ前に他界してしまった。
しかし、だからといって、その後も、バイクに乗りたいなどとは、まったく思わずに生活していたのだが、あるとき、よく通る国道脇の店先に置いてある、赤いバイクに目がとまった。
「お〜、なんだかカッコいいな!あんなバイクなら乗ってみたい!」
その道を通るたびに、そんなことを思いながら、その赤いバイクを眺めていた。
そして、しばらくすると、
「ちょっと見に行ってみようかな?」
という気持ちになったが、すぐには見に行かなかった。
「自分」と「バイク」が、どうしても結びつかなかったのだ。
それからも、その国道を通るたびに、その赤いバイクを眺め続けた。
そして、とうとう、ある休みの日に思い切って、その赤いバイクを見に行ってみることにした。
そこで初めて、その赤いバイクは、
Harley-Davidson SOFTAIL BREAKOUT
の18年モデルの試乗車だということを知った。
HARLEY-DAVIDSON SOFTAIL BREAKOUT
もちろん、私には自動二輪の免許がないので、試乗することはできない。
眺めたり、跨ったりするのが関の山だ。
リアタイヤは、あろうことか、240/40R18という、あり得ない太さ。
エンジンも1,745ccと1,868ccの2種類。
だいぶ昔に乗っていた、ユーノス・ロードスター(NB)ですら、1,600ccだったというのに、このバイクの排気量は1,800ccもあるというのか…
とにかく、すごいとしか言いようがない。
値段も、当時のロードスター(NB)と同じくらいする。
結局、その日は、カタログとカレンダーをもらって帰った。
あとから、いろいろ調べて分かったことだけど、もっと排気量が小さい「STREET」や「SPORTSTER」なら、もっと安く買えるのだが、そういうモデルをみても、欲しいという願望はおこらない。
私は、「SOFTAIL」の、ハーレー・ダビッドソンにだけ、興味が湧いてしまったらしい。
さらに大きな「TOURING」にも、いまのところ、興味が湧かない。
それまで、「ハーレー・ダビッドソン」という名前だけは知っていたが、「SOFTAIL」だとか「BREAKOUT」とかという名称は、その日に始めて知ることになった。
こうして、これまでバイクとはまったく無縁だった私が、「ハーレー・ダビッドソン」の魅力に取り憑かれていくことになった。
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